『ファインディング・ドリー』はサイドストーリーに過ぎないのか?
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幸運にも公開日の昼間に見られたので、感想を!(小ネタバレ含む)
※私はトイ・ストーリーのVHSを擦り切れさせるほどのピクサー好きです。
今回私は痛みまくる生えかけの親知らずとともに鑑賞に臨みました。(口もあかない程の腫れ。馬鹿です)しかし映像の美しさと流石のストーリーで、終わるまで完全に痛みを忘れていました。
世界観の表現
前作「ファインディング・ニモ」は大海原での大冒険!といった趣が強いビジュアルが特徴でしたね。
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今回はまるで童話や絵本のよう。こだわって作り上げたという「海藻の森」がとても神秘的です。
さまようほどに新しい何かを発見してストーリーが進んでいく形式も、逆に新鮮。
個性的なキャラクター
「ニモ」同様、今作にも強烈なキャラクターがたくさん。後半の舞台は水族館(海洋研究所)なので、多くの海洋生物が登場します。タコにアシカにジンベエザメ…。その発想の豊かさに、飽きることがありません。
ちなみにタコのハンクについては、『カーズ』(06年)に登場したラッキーライナーと同じく、バド・ラッキー氏がモデルだそう。
ハンクは制作もお気に入りのようで、エンドロール前半部の映像でもおちゃめな姿を見せてくれます。かわいい。
※この映画はエンドロールが終わるまで、席を立たないことを強くおすすめします。
水族館のリアルさ
毎回制作前に入念なリサーチを行うピクサー。『ニモ』制作時にはスタッフが実際に海へ潜りに行ったというのは有名な話です。
今回は水族館のスタッフからかなり話を聞いたそう。タコの脱走や、ふだん見れないバックヤード、スタッフの作業場など、とてもリアルに描かれています。
水族館の水槽に入れたら…って誰しも一度は考えますよね。水槽の景色や配管までリアルで、まさに魚になった気分でした。
テーマがやっぱり大人にも刺さっちゃう
『ニモ』の「子どもを信じること」「挑戦しなければ何もできない」というメッセージもとても好きですが、今回も素敵でした。
「欠点じゃなくて個性」「自分を信じてあげること」
もちろん素晴らしいテーマなんですが、個人的にぐっと来たのはクライマックスのこっち。
「計画したことなんてつまらない。ほんとうに素敵なことは偶然に起きるのよ」
このセリフが突き刺さってしばらく抜けませんでした。これ、大人なら誰でもグサッと来ません?なんだって簡単に計画できちゃうし、計画せざるを得ない社会人。大人になってからも偶然を楽しめる仲間がいるって、何気ないけど幸せなことですよね。
まとめ
『ファインディング・ドリー』は『ニモ』の単なるサイドストーリーには留まりません。進化した映像と、前作とは毛色の異なる物語。展開はありきたりなはずなんだけど、ピクサーの手に掛かると心が動いてしまう。正直クライマックスでは二度、涙をこらえました。(私はお涙頂戴には冷めるタイプです)
ちろん『ニモ』を見てからの方が楽しいのは間違いありませんが、『ドリー』を先に見るのもおもしろいかもしれませんね。
三連休、何をするか悩んでいるなら、映画館もいいんじゃないでしょうか。涼しいしね。
それでは。